さて、VIC-1001ですが、低価格化のため、機能的にはかなり貧弱です。 メインメモリは標準で何と3KBしかありません。 しかし、音楽機能は3重和音が可能と充実していて、 グラフィクス機能も貧弱ながら一応整っていました。 後のパソコン、例えばNECのPC-6001などが、ほぼこれと同等以上の 機能をつけるようになるなど、周囲に与えた影響は大きかったようです。
いわずと知れた、日本のパソコン界の最大手企業です。 パソコンの前は民生向けには家電製品やオーディオ機器を製造販売していましたが、 他の企業(日立や東芝など)と比べると、とても一流とは言えませんでした。 しかしながら、PC−8001の成功を皮切りに、PC−8801シリーズ、 PC−9801シリーズと順調に売り上げを延ばし、パソコンが普及するに連れ、 シェア第1位の一流企業となってきました。 ところが最近のDOS/Vメーカーの安売り攻勢で、 しだいに力を落としてきているようです。 この先どうなるでしょう?
私が所有するPCシリーズのなかで、最も型番が小さいのがこれです。 私が初めて手にしたパソコンでもあります。 当時は[パピコン]の愛称が付いていました。 [じゃんけんぽん、カセットぽん]の宣伝があったような? (これは違う製品のコマーシャルだったかも)
ちょうど、PC−8001のあと、上位のPC−8801、 下位のPC−6001との差別かが図られている時期でした。 しかしこういった下向きの機種は、ほかの多くの例(IBMJxなど)が示すように、 大概長続きしないもので、後にmk2、mk2SRなどを出したものの、 結局は消えてゆきました。
プログラムカートリッジの採用など、見るべき点もあるにはあるのですが、 他の多くの機種と同様に、ローコスト化のしわ寄せが、 キーボードにきており、操作性に難を残したのが残念です。
私のシステムでは、ROM/RAMカートリッジによるメモリ拡張は もちろんのこと、拡張BOXと拡張BASICを装備し、これに 5’FDD(1D)をつないで、フロッピーディスクシステムとしています。 さらに、RS−232Cユニットを内蔵させ、後述のPC−6001mk2や PC−6601とほぼ同等の音声機能を実現する、ボイスカートリッジも 搭載しました。また、プリンターとしては、グラフも書けるようにと、 プロッタプリンタのPC−6022を購入、後リスト印字の遅さに 非常に後悔したのを覚えています。さらに普通の購入拡張では飽きたらず、 さまざまな改造も施しました。まず、はやりのキーボード分離型とするため、 キーボードと基盤の間をつないでいるフラットケーブルを、何のノイズ対策もせず、 そのまま延長しました。
また、最近バックアップ用に、非常に程度の良い同型機を 入手することが出来ました(^^)。
PC−6001の後継機として、PC−6001mk2が発売されましたが、 このPC−6601はPC−6001mk2に3.5’FDD(1D)を 内蔵し、音声発生機能に音階機能を加えた場合と同等の機能を持っています。
PC−6001mk2およびPC−6601の特徴は、何といっても 音声発生機能でしょう。PLAY分と同じ要領で、好きな言葉を喋らせることが 出来るのは、当時としては非常に画期的でした。しかし、実際の応用例は ごくわずかで、他機種の追随を受けることはほとんどありませんでした (MZ−1500など、少数機がオプションで装備したに留まりました)。 これは何といっても、男女2種類しかない音色と、抑揚のない(つけ難い) 平坦な非人間的な喋り方に起因するものと思われます。
このほかX1で有名になったスーパーインポーズ機能や、 当時一種のステータスであった漢字表示なども実現し、 非常に多機能なマシンとなりました。 しかし、肝心のグラフィック機能はまだ他のライバル機に比べると 見劣りしており、人気は低迷しました(たぶん)。
また、動作モードは、 互換性維持のための各種N60-BASICのほか、 上記の多機能を実現するために新たに開発されたN60m-BASICを追加したため、 かなり複雑でした。
私が所有するPC-6601は、弟の知人より譲って頂いたものでした。 しかしながら、もらってくるなり不動品となってしまい、 しばらく棚の上に放置されていました。ただ、電源を入れても LEDが全く光らなかったので、電源関係に問題があるだろうとは思っていました。
先日、思い立って、本格的な修理を敢行し、電源のバイパスコンデンサの 劣化を発見し、無事復活させることが出来ました。
このパソコンの機能については、何も言いますまい。 なにしろこれが当時の基準になったのですから。
私の所有するPC-8001は2台あり、いずれも知人より譲渡されました。 一方は5インチ1Dのフロッピーディスクドライブつきです。
しかしながら、その洗練されたデザインから、個人的にはかなり気に入っており、 新古品を手に入れた時は非常に嬉しかったことを覚えています。 しかし、さっそくそのFM音源の威力を試そうと、PC-6001 で組んだ 音楽演奏プログラムを移植したのですが、MML から演奏データへの変換が かなりの負荷になっているようで、ちょっと複雑な演奏をさせると、 すぐに音が途切れてしまうのにはまいりました。 もはや8ビットでは限界だったのでしょうか。
ちなみにかつてFDDもないうちから DiskBasic を手に入れてしまい、 その後数年間死蔵していました。現在はいくつかFDDを所有していますので、 DiskBasic を走らせることが出来ます。しかし、メモリが減るしセットアップも 面倒なのでほとんど触っていません・・・
8ビット期の代表的な機種に、MZシリーズとX1シリーズがありました。 (他に業務用としてPC-3500などのPCシリーズもあり)
MZシリーズは、組み立てキットとしてスタートしたMZ-80C/Kの系統と、 もともと社内用だったものを販売したMZ-80Bの系統があります。 MZ-80C/K系統は、その後MZ-1200,MZ-700,MZ-1500と受け継がれてゆき、 一方のMZ-80B系統はMZ-2000,MZ-2200,MZ-2500と発展してゆきます。 いずれも8ビット機ですが、MZ-2000以降の機種には オプションで16ビットボードなども販売されていました。 このシリーズの最後には、16ビットCPUを標準で内蔵したMZ-2861 (だったと思う)が発売されましたが、 その後シリーズは途絶えてしまいました。 一方、これらのシリーズとは離れて、完全な16ビットアーキティクチャの MZ-5500シリーズも発売され、のちMZ-6500シリーズに受け継がれましたが、 これもここで途絶えてしまったようです。
X1シリーズは、テレビパソコンと銘うって、スーパーインポーズなど、
AV機能を目玉に発展しました。のち、グラフィック機能の強化
(今までの200ラインから400ラインへの移行など)を
メインにしたX1turboシリーズが発生し、さらに色数・音楽機能の強化など、
末期8ビットに典型的な機能拡張を施したX1turboZシリーズが
発売されてゆきました。しかしながら、8ビットの限界から、
X1シリーズはここで途絶えました。
のち、完全16ビット機として、X68000シリーズが発売され、
Xの名前は継承されたようです。