――学生時代は物理をされていたのですね。

 

 

学部時代は高エネルギー分野、大学院では原子核物理分野について学びました。大学院で学んだのは宮本研でやっているよりも小さなサイズで、原子核中の陽子や中性子を構成するクォークや、中間子といったスケールのものについて学びました。

 

―― 職場としての宮本研はどうですか?

 

理系は男性ばかりといったイメージだったのですが、あ、女の人がいっぱいと思いました(笑)。午前はこの仕事をして、午後はこの仕事をして…、というように自分で1日のスケジュールを決められるので仕事はしやすいです。割と楽しくやってます。

 

 

―― 私も初めはびっくりしました。工学部=男子校のイメージでしたが、女性が多くて。学生時代は理学部とのことですが、工学部と理学部とではどのような違いを感じますか?

 

理学部では共同研究といったものはなかったのですが、工学部ではこういうこともできるんだな、という点かな。
ダイレクトに社会に働きかけている感覚はあります。理学部では「なぜ?」という探究心を追及する場ですからね。私はウチュウセンについて研究していました。



――- え?ウチュウセン??

 

 

船じゃないよ。紫外線や赤外線とかの方。(笑)
宇宙空間を飛び交う放射線は地球上にも飛来しているけれど、銀河内で他の物質と衝突して違う原子に変化することがあるのね。その原子の存在比を間接的に観測した場合と地上で直接観測した場合とで比率が違っていて、どうしてその違いが生じるのか等について探求するところで、工学部は科学を利用した新しいものづくり、かな。

 

 

 


―宮本研は他の化学系の研究室とは一味違いますよね。 よく実験を
している化学系の友達に実験装置が無いなんて、イメージがわかない
、何してるの?ってきかれますよ(笑)

 

私も事務員さんに訊かれましたよ(笑)届け出す時に。

 

 

―現在の仕事内容を教えてください。

 

 

今はメインで太陽電池をやっています。他には研磨とか光励起、その時に応じて他の計算もやります。

 

 

色々同時進行なのでしょうか?色々な分野に触れられるっていうのは素敵である反面、大変な事ですよね。知識の幅も広くないと対応できないですし。林さんは普段の生活の中で、世に出た最終製品を見て、ご自分の仕事の成果を実感することはありますか?

 

 

ありますね。屋根の上にソーラーシステムを見かけると、「あ、太陽電池がある」と思ったり、CMをみて「聞いたことがある」と思ったり。自分の仕事が社会と繋がっているんだと思うことはありますね。


 

――林さんの1日の流れを簡単におしえてください。

 

例えば今日だったら、9:30に出勤して、午前中はシミュレーションをかけるためのモデル作成や計算に必要な入力ファイル作成をしていました。お昼休みの後は企業さんとの打合せです。前回の打ち合わせ後の進捗状況を説明したり、計算をしていて生じた問題点について話したり、その問題を解決するためにはどのようにすれば良いか、などについて話し合いました。

 

――- コンサルティングですか?

 

 

そうですね。それぞれの企業さんで打合せの方針は全く違います。打ち合わせ後は午前中にかけた計算がどうなっているかチェックしたり、違う計算条件で計算をかけたり、計算がうまくいっていなかったら入力ファイルを変更したりしています。そうすると17時にはなってしまいます。


(次項に続く)

 

 

 

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